2011年9月26日月曜日

職場にかかる迷惑電話

最近よく職場にセールスの電話がかかってくる。
職場の電話は直通回線で、電話帳にはもちろん載っていない。
名刺には記載しているから、取引先などにはオープンになっているが、一般には知られていない。どうしてこの番号にかけたのかと尋ねたところ、一つわかった番号から順番に1番ずつずらしてかけてきたそうである。なるほど、その熱意には感心する。

しかしながらセールスの内容は「投資用マンションを買いませんか」というものだ。
よく休日に家にもかかってくる。大概が価格帯2,000万円前後のワンルームマンション。家賃が月々78万円、利回り(年間家賃収入/購入価格×100)で言うと5%程度という内容だ。「全額ローンを組めば月々の返済を差し引いて10,000円程度手元に残り、ローン完済後はまるまる家賃がおこずかいとなり、所得税控除にもなります」といった謳い文句だ。

職業柄この手の投資判断はできるつもりで、バカにしたような悪い条件をあたかも良い条件のように言ってくるから呆れてしまっている。まぁそれでも見ず知らずの相手に突然電話をかけてきて、一体どんなセールストークをするのだろうという興味から、最初の頃は相手にしていた。しかしそのうちやっぱりマニュアル通りで、とにかくアポを取ろうとするだけだとわかって、最近はあまり相手にしない。アポを取れば、裏にいる鵜匠が出てきて本格的に“落としにかかる”のだろう。“鵜”である若手はとにかく片っ端から電話して、うまく引っ掛かったカモを鵜匠に渡すまでが仕事なのだろう。

そういう仕事ってどうなのだ、と思う。
もちろんいかがわしい物を売っているわけではないが、突然見ず知らずの相手に電話してくるなんていうのは、職業としてとても誇れるものではないと思う。
セールスというのは、相手の顔を思い浮かべ、どんな提案なら受け入れられるかと腐心し、相手に喜んでもらって自分も儲けるというものでないといけない。

当然、そんなのは電話をかけている当の本人も感じているのかもしれない。
何十件も電話しても、うるさがられて断られるだけだろうし、上司には尻を叩かれるし、ストレスも溜まるだろうしで気の毒な気がする。まぁ今は就職難だし、ひょっとしたらいまだ蹴活浪人中の同級生を横目で見ながら、我慢しているのかもしれない。

そもそもそんなセールスのやり方をしている会社の方が問題で、経営陣が無能だという事に尽きる。サラリーマンなど相手にしないで、こうした投資用のマンションを喜ぶような相手は誰かを考えれば、片っ端から闇雲に電話を掛けまくるなんて頭を使わない営業をする必要もないはずだ。そう考えてみれば、そんな電話をかけさせられている若者こそ気の毒だ。

こうした「下手な鉄砲数打ちゃ」作戦は言ってみれば現代の押し売りだ。
今は押し売りなどという行為は出来なくなっているが、昔は押し売りがいた。
相手の迷惑を考えず、人の良さに付け込んで何とか売ろうとするところは押し売りと一緒だ。
そう言えばその昔、親父が押し売りにあってハンドバックを買わされた事があった。
母に怒られていた親父の姿を今でも覚えている。人の良い親父だから、たぶん断れなかったのだろう。

そういう私も独身時代、行きつけの床屋でよくシャンプーなどの新製品を買わされた。
担当の人懐っこい兄ちゃんは私の顔を見るなり、「良いのが入ったんですよ」と笑顔で話しかけてきた。まぁ独身貴族の気楽さと、たかが知れている値段だったのでいつもカモになっていたが、投資用のマンションとなると、気軽に買える身分になるまで待ってもらわないといけない。

気の毒な気もするが、仕事中だしと断る。
一日何件くらい電話しているのだろう、などとふと考える。
私の職場は銀行の本部ビルだし、1番ずつずらして何人くらいかけられるのだろう、などとも考えてみる。さあ仕事と気持ちを切り替えると、「仕事中ですから」とはす向かいの同僚が電話でしゃべっている。どうやら次の番号だったらしい。
仕事中の迷惑電話ではあるが、その努力に免じて許そうと思ったのである・・・


【本日の読書】

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