2013年7月5日金曜日

宇宙戦艦ヤマト2199


最近、日曜日の夕方に「宇宙戦艦ヤマト」のアニメが放映されている。
「宇宙戦艦ヤマト」と言えば、私も小学生から確か中学頃にかけてまで、夢中になって観ていた記憶がある。
最初のテレビシリーズは再放送で何度も観たし、映画も観に行ったし、夜中にラジオでやっていたのを布団の中でこっそり聞いた事もある。

しかし、そんなに好きだったにも関わらず、実は映画版の2作目までしか観ていない。映画版は、最初のテレビシリーズの映画化から5作くらい続いたと思うが、3作目以降は観ていないのである。
というのも2作目の映画版で、ヤマトは最後に敵艦に体当たりして果てるのであるが、テレビシリーズではしっかり生き残って、3作目以降に続いたのである。

2作目の映画版で、せっかく子供心に大感動したのにそうしたやり方は何だか興醒めで、2匹目のドジョウどころか3匹目、4匹目を狙った商業主義に違和感を感じたのである。
その後原作者の地位を巡って、漫画家の松本零士とプロデューサーの西崎義輝氏が訴訟騒動を起こしたのも興醒め+αだった。
いずれにせよ2作目の映画をもって私のヤマトは終わっている。

今回復活したヤマトは、「宇宙戦艦ヤマト2199」と称して、最初のテレビシリーズをベースに、オリジナルストーリーも交えて作られている。
何となく観始めたが、これが実に面白い。
まず目についたのが、宇宙空間での戦闘シーン。
実にリアリティに富んでいる。
最近はCGの登場によって実写の映像技術が格段に優れているが、最新のアニメもあわせて進歩が著しい。

例えばヤマトにしても、3年前に公開された実写版「SPACEBATTLE SHIP ヤマト」なんかは、映像の迫力は嬉しくなるほどだった。それに比べると、昔のアニメは子供の絵みたいに思えてしまう。アニメはかつては実写で表現できない世界を描くのに適していたが、今は立場が逆転してしまっている。

そんな中で登場したこの「2199版」だが、「子供の絵」からは大きく進歩している。
戦艦というと、図体がでかくて動きがトロいというイメージがあるが、それは地球上の話。
宇宙空間では重さがないから、例え戦艦でも戦闘機のように動けるわけであるが、一方無重力であるがゆえに、飛行機が旋回するように簡単に向きは変えられない。
右へ行きたければ左へ噴射して向きを変える必要がある。
そんなディテールにも配慮を加えながら、迫力ある映像が楽しめる。

合わせてストーリーも厚みを増している。
ガミラスに最初に攻撃を仕掛けたのは実は地球だったとか、旧作では語られなかったエピソードが加わり、物語がよりリアルに描かれている。
また、ガミラス人同士の会話では、わけのわからないガミラス語を話させたり、地球を「テロン」と呼ばせてガミラス側からの視点も加えている。

もちろん、旧作の名場面もそのまま生かされている。
第1話では、降伏を呼び掛けるガミラス艦隊に対し、劣勢装備の最後の地球防衛軍を率いる沖田艦長は、「『バカめ』と言ってやれ」と渋く命じる。
最後まで敵と戦う事を主張する古代守に対し、沖田艦長は「明日のために今日の屈辱に耐えるのだ」と諭す。
ストーリーの最初の見所であるがゆえに、きちんと描かれていたのは嬉しい限りだ。

一方新しい新キャラクターも何人か加わっているが、ほとんどが女性だ。
戦う男の物語であり、男中心のキャラクター陣だったのに、これも時代の反映なのだろうか。
その職務も旧作は「生活班」という「非戦闘部門」だったのが、新キャラクターは艦載機のパイロットに情報部門まで進出している。
舞台となる22世紀にはもっと進んでいてもおかしくないような気もするが・・・

それにしてもよくわからないのが「日曜夕方5時」という放映時間。
一体誰をターゲットに考えているのだろう。
昔夢中になっていた「かつての子供たち」だろうか。
翌日仕事を控え、のんびりくつろぐお父さんたちと言うことなら、私もぴったり当てはまる。

物語はこれからいよいよ後半戦。
既に動画サイトでは観ようと思えば観られる。
だが、せっかくなので毎週1本、慌てずゆっくり楽しみたいと思う。
オリジナルのストーリーも随分あるようだし、アニメだからと言って「今の子供」だけに楽しませるのももったいない。幸い、チャンネル競争のない時間帯でもあるし、その点でも一人で堪能したいと思うのである・・・


【今週の読書】

  

 

 

 

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