2011年10月20日木曜日

松屋にて

我が家では、週末のランチはファーストフードで外食というパターンが多い。
先週末もそんな流れで外出したが、途中で妻が「今日は牛丼が食べたい」と言い出した。
子供たちも大賛成。今時の若い女性は、一人で吉野家で牛丼を食べているのも珍しくないが、今時でない妻からすると、今だ「一人では入りにくい場所」という事らしい。

吉野家・松屋・すきやの御三家から、車で行きやすく次の買い物場所にも近いという事で松屋に行くことにした。子供たちは牛丼。妻は何やらいろいろ入った牛丼。私はキャンペーン商品の「うまトマハンバーグ」とやらにした。トータル金額の安さに、妻はまず感動。私のが一番高くて490円だった。

さて和気あいあいと食べ進み、そろそろサイドディッシュのサラダが終わろうとする頃、私は自分のサラダの中に何やら妙なものが入っているのに気がついた。最初は蟻かなと思ったが、良く見ると触角の他に立派な羽がある。どうやら蜂らしいと気がついた。栄養満点の蜂入りサラダ、というわけではなく、立派な異物混入だ。それにしてもどうやって入ったのだろう。

さてどうすると思ったが、ここは飲食店だし、一応事実は伝えなくばなるまい。
店員さんを呼び止めて、蜂入りサラダを見せた。
「すみません」と蚊の鳴くような声でその店員さんは返事すると、「すぐ替えます」とサラダを持って行こうとした。若い女性の店員さんだったが、ひょっとしたらアルバイトかもしれない。

大しておいしいサラダでもないし、もう残り少ないし、今からまた一皿食べる気にもならないので、交換の申し出は辞退した。さて、子供たちも食べ終わり、そろそろ帰ろうかなという時になっても、何の音沙汰もない。別に蜂が入っていたからと言って、鬼の首取ったように文句を言うつもりもないし、たかだか490円を返せと言うつもりもない。ただ礼儀として、店長あたりから「申し訳ございません」の一言くらいあってもしかるべきだろうと思っていた。

ところが、どうやらそんな気配もなく、それどころか席を立って出口に向かっても何の変化もない。厨房を見ると若い男女が合計4人働いていたが、昼時の忙しさにみんな我々には無関心。
「まあ所詮、ワンコインだしな」と納得して外に出た。文句を言えば表面上は謝るだろうが、それでどうなるというものでもないし、嫌な気分が増幅されて、下手したら一日後を引く。5,000円ならそうはいかないが、500円なら「その程度」と思った方が気が楽だ。

24時間営業のようだから、店長だって常にいるとは限らないし、ひょっとしたらみんなアルバイトかもしれない。注文に応じて決められた作業をして、ペットに餌を与えるが如く客の前に注文の品を置く。ただそれだけなのだ。ワンコインのファーストフードで、愛情あるサービスなど期待はしないが、みんな「ただの作業」をしているだけなのだと思う。下手したら飼い主が可愛がっているペットに餌をやる方が、愛情をこめて皿をだすかもしれないと思う。

最近は家計も厳しく、世の中はいかに安くを競っている。
牛丼の安売り合戦はその一例だ(ただいくら安くても松屋の牛丼は食べたいと思わないが・・・)。
コストカットは人件費にも及び、アルバイトが多いのだろう。
社員教育だって、しっかりやるはずもないからああいう対応になるのだろう。

たぶん、あの女性も心の中では「まずい」と思ったとは思う。
そういうケースでは「まずきちんとお詫びする、そしてすぐ店長に報告する、店長はただちにお詫びに行く」というルールが出来あがっていれば、たぶん躊躇せずにそうした事だろう。
そうでなかったという事は、そういうシステムが出来ていなかったという事だ。
あの店員さんはどうしたらいいかわからず、結果として頬っかむりしたのだと思う。
店員の責任というより、組織の欠点だ。

まあこの先松屋に行かなくても困らないから、行く事もないだろう。
子供たちも気味悪がっていたから、二度と行きたいとは言い出さないだろう。
ホームページを見ると綺麗に飾ってはいるが、実態は商品価格程度の企業だと言える。
「今度はすきやに行こう」と妻が言う。
まあいろいろと比べてみるのもいいのかもしれないし、松屋に行くのはこれで人生最後ということで、納得したのである・・・
    

【本日の読書】
 

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