2010年10月16日土曜日

コミュニケーション~2~

我が大学のラグビー部は、数年前からメーリングリストを利用してOB間の相互連絡を図っている。メーリングリストとは、そこに登録しておくことによってメンバー間に一斉にメール配信できるシステムである。試合の連絡を筆頭に、このメーリングリストで各種連絡が飛び交っている。

しばらく前からある老OBが、試合の観戦記なるものを配信し始めた。
得点、ペナルティの数、メンバー、そして試合の経緯。
何せ定年後の毎日が日曜日の身分ゆえ、時間にものを言わせて熱心に配信してくれる。
感心する一方で、私個人はというと、そのメールは得点以外は読まずに削除していた。
たぶん元商社マンと見えて、やたらに不必要な英文等が多く(チームと書けばいいのに、teamとかティームとか書くのだ、そして商社マンはやたらと英単語を使いたがるものなのである)読み難いのと、分かったような分からないような個人の主観による解説が煩わしいからだった。

読まないから気にもしていなかったのだが、先日突然コーチングスタッフからやんわりとそれをたしなめるメールが配信された。形式的にははたしなめるというよりも、説明という形を取っていた。老OBが指摘していたミスプレーは、結果こそ失敗したが、初めから意図してやったチームプレーであって間違ってはいないという説明である。そして末尾に今後技術的な指摘は、メーリングリストではなく、コーチングスタッフに直接メールをいただきたい、と。

これに周辺の老OBが噛みついた。
曰く、言論の自由の封殺はけしからん、功績ある大OBに礼を失している等々である。
実は現役(および現役周辺)からの老OB宛クレームは2度目である。
前回は現役のキャプテンから、「自分たちも一生懸命やっているので過度な批判はやめてほしい」という申し出であった(『見る気もしなくなる』等の言葉がかなりあったのだ)。
まあその内容の是非はともかくとして、結果的に今回が2回目である。

コーチングスタッフからのメールは、OB会役員の承認を得ているとのコメントもあって、さすがに無鉄砲な現役から比べると段取りを踏んでのものだ。
かなり前々から計画してやったのだろうと想像できた。
猫に鈴をつけるのは大変なのだ。

この問題には難しいところがある。
コーチ陣からすれば、周りからいろいろなOBが好き勝手なアドバイスをすれば、現役が混乱する。
今は一応周りのOBは、アドバイスしたい事があればコーチ陣に言うというルールがある。
だが、メールで誰彼ともなく発信している内容は規制しにくい。
私のように読まなければいいと思うのだが、現役(および現役周辺の人たち)からすれば自分たちの試合の批評だけに気になるのだろう。

やめろと言うにも、大先輩が熱心に良かれと思ってやっているだけに言いにくいのも事実。
老後の楽しみでもあるだろうし、好きな事を言う権利はだれにでもある。
ラグビーをやっていた者は、(私も含めて)頭の中では自分が最高のプレーヤーでいるのだ。
「こうやればいい」という信念のようなものをみんな持っている。
そして可愛い後輩たちには、それを余すところなく伝えたい、と。
「余計なお世話」とは言えるものではない。

老OBとその周辺サポーターからの援護射撃で、どうやらコーチ陣は分が悪い。
老OBもやめる気配はなく、平日には自らグラウンドに足を運び、現役の様子をレポートするまでになってきた。さらに現役に「アドバイス」もしてきたらしい。

後輩を、そして伝統あるラグビー部を思う気持ちは双方とも一致している。
だがそれは絵に描いたような同床異夢。
双方をつなぐコミュニケーションはあるのだろうか。
お互い相手の声に耳を傾けて、とも思うがきっとそれは当事者にとってみれば難しい事なのだ。
どうすればいいのか。

明日はまた公式戦。
どんな観戦記が配信されるのだろうか。
試合の結果以上に気になるところなのである・・・

【昨日の読書】
「十歳の君へ」日野原重明
「アヴェンジャー(下)」フレデリック・フォーサイス

    
【昨日の漫画】
「JIN19」三田紀房
「ONE PIECE③」尾田栄一郎

      

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