2010年1月10日日曜日

ああ中国人

ラグビー大学選手権決勝    
帝京大学 14-13 東海大学

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 母校(高校)の財団法人が後援している社会人向けの講座「寺子屋小山台」が昨日あった。今回は毎年お招きしている東洋学園大学の朱建栄教授が講師であった。「中国からみた日本」というタイトルで約3時間半にわたって講義と質疑応答の中味の濃い一時を過ごした。

 中国というと日本ではとかく斜に構えて見られがちだ。産経新聞でも先日自由主義先進諸国が手を出さないスーダンやアフガニスタンといった紛争国で、資源外交を展開する赤い帝国のことを苦々しいタッチで連載していたし、民主党政権が進めようとしている外国人参政権付与法案に対する反対理由として一党独裁国家中国による組織介入を警戒する意見もある。

 かつて北朝鮮を礼賛した朝日新聞は中国寄りだが、その他は全体として好意的とは言えないように感じる。自分としてはどう思うのか。マスコミは偏りがちだから相手の意見を聞くという意味で、朱教授の講座は毎年楽しみにしている。双方の意見を聞いた上で自分なりの考え方をもちたいものだ。

 今回は中国人そのものに関する話が面白かった。例えば中国人に何か頼みごとをする。してもらったら当然その場で御礼を言う。さらには後日、菓子折りとはいかなくても何かプレゼントして再度お礼をする。そんな行動は、日本人には違和感がないが中国人だと不快感を伴った違和感を持つという。

 この場合、中国人は後日お礼をされると、「それであなたとは貸し借りなしね」と言われているように受け止めるのだという。中国式には、「受けた恩義は次回別の事をしてあげる事で返す」となるのだと言う。その相互連鎖で互いの関係が深まっていくのだと。

 その根底には「大恩不言謝(大きな恩に対してはお礼を言わない、言葉ではなく別のもので返す)」という考え方があるそうである。だから日本のODAによる巨額の円借款にもお礼を言わないし(日本側からはお礼を言わないという批判がある)、だからといって何とも思っていないというわけではないのだ、と。所変われば、というやつである。知っているかいないかで大分違う。

 朱教授は日本と中国の文化をそれぞれ、「恥の文化と自己主張の文化」だと喝破する。以前も述べたが、まさに日頃思っていた通りで納得してしまった。赤い帝国中国ももはや単独で世界の覇権を握る事など不可能だと認識しているとの事。いずれは国政レベルで普通選挙が実現するだろうし、メディアの統制もインターネットの世界ではほぼ不可能になってきている(やっているが効果があがっていない)らしい。

 若者達の間には日本に対する反日的雰囲気は親の世代より薄れており、ファッションや音楽や漫画などは広く浸透しているらしい。その点では韓国よりは親しみやすいものがあると、個人的には思う。不必要な警戒論には踊らされたくはないものである。

 その他にも、
・ 白人なら無条件に相手を理解しようとするが、同じ顔の東洋人だと自分たちとの違いに目を向けがちな日本人の傾向
・ 中国人に対する頼み方と断り方
・ 軍事費増大の背景にある裏事情
などなど興味深い話が満載であった。

 「相手の立場からみる」事が大切だと教授は言う。まさにその通り。前々回に述べたが、今年は関わりあいのある人達との関係を大事にしたいと思っているが、その基本となるべき考え方だ。今回中国人の話を聞いて、「日本人てやっぱり良いな」と思う一方、彼らには彼らの世界があるのだと広く思える。これからもそんな気持ちで臨んでいきたいと思うのである・・・


【本日の読書】
「バフェットの教訓」メアリー・バフェット&デビッド・クラーク




     

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