2009年3月10日火曜日

3月10日とは

3月10日といえば東京大空襲。
12月8日や8月6日、9日、15日と並んで語り継がれる日である。
私自身、東京生まれであるが、両親は地方出身。したがって直接話を聞くなどという経験はなく、ましてや64年も前の事だと歴史の教科書の1ページでしかない。

以前お取引先の家を訪問した時、80歳過ぎのおばあさんに話を聞く機会があった。
しわしわの顔からは想像もできないが、当時は18歳の乙女だったという。
爆撃が始まって、とっさに「B-29の飛んできた方に逃げろ」と言われ、父親と逃げたそうである。近所の人も大勢いたが、反対方向に逃げた人は行方がわからなくなったそうだ。

朝になって家に戻ってきたが、どこが自宅かわからない。
焼け跡を探し回っているうちに、唯一焼け残った大きな金庫を見つけ、そこが家だった場所だとわかったそうである。
街中にはクロ焦げの死体があちこちに転がっていたという。

 約300のB-29爆撃機による爆撃は深川地区へ初弾が投下され、その後に城東地区、午前0時20分には浅草地区や芝地区にも投下され、逃げ惑う市民には超低空のB-29から大量の榴弾や機銃掃射が浴びせられたという。犠牲者は広島の原爆犠牲者に匹敵する10万人。いくら戦争とはいえひどい事をするものである。それが正義の味方、アメリカ軍の行った事だ。

「クロ焦げの死体があちこちに転がっている」状況など、想像力をどう働かせても想像できるものではない。「貴重な経験」といっていいものかどうか・・・
その後の生活も、闇で仕入れた食べ物を警察官から没収されないように隠れて移動した話とかを伺った。そういう話が好きだったせいか、肝心の仕事の話は「また今度」と言って帰って来てしまうくらいに聞き入っていた。そういう話を伺いたくても、回りに人が少なくなっている。

日本人はアメリカ人が大好きだ。
だが、世界にはアメリカを憎む人達もいる。
そんな人達を「キチガイ」と決めつけるわけにもいかない。
立場が違えば考え方も変わる。
自分と違うからおかしいとはいえない。

そういえば、あのおばあさんはアメリカの事をどう思っているのだろう。
今になって思えば聞いてみればよかったと思う。
ただ、もう昔の事だから穏やかな返事しか返ってこない気もする。
つらつらとそんな事を考えてみた一日である・・・
    
    

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